「其れを知るとき」
「何で、そう思うの」
一時間も前の事。発明少女はツインテールの少女から今に至るまで愚痴を聞かされていた。言うまでもなく、何時もの少年の事である。ボカボカと次々に出てくる愚痴を早口でぶつけるツインテール少女の言葉を、発明少女は全て半々で聞いて、全て無言を返していた。
そして今、愚痴を言う少女にやっと問うた。何でそう思うの、と。少女は急カーブする眉をもっと鋭いものに変えて、またボカボカと言葉をぶつけ始めた。
「だってな!馬鹿阿呆ってな!ウチに何度も言ってくんねん!
今日だけやない!昨日も一昨日もその前もずぅぅーーーっと!!毎日や!!」
其の内容はツインテールの少女にとっては重大であるかもしれ無いが、発明少女にとっては簡単に全てを悟る事が出来て、とても如何でも良かった。
「…せやからっ!やっぱ棗はウチんこと嫌ってると思うねん!!」
先程から言っている事は之。棗が蜜柑の事を嫌っているのではないか、という少女の被害妄想。どういう育て方をすれば、この様な考えが身につくのか。少女が人より馬鹿なのは昔から知っていたのだが、此処まで馬鹿だったとは。そう考えると、発明少女は頭が痛かった。
そしてうんざりした様に問うてみる。
「…あんた、気づいてなかったの?」
「何が?あいつがウチを嫌ってること?」
「そうじゃなくて。」
思わず、溜息が出てくる。何だか、少年が可哀想に見えてくる。
目の前のツインテールの少女は何にも知らない顔できょとんとしているし。
別に少年に加勢するつもりでは無かったが、きりが無い為、発明少女はこう一言最後に言ってのけた。
「……日向君って――――――――」
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「おい、水玉」
放課後、偶々帰り道に少女の後姿を発見した少年が少女に声を掛けた。刹那、びくりと必要以上に反応する少女の肩。そんな珍しい反応に少年は眉を潜めた。振り向いた少女の顔を見れば、其れはどことなくギコチなく見えて、そして頬はほのかに赤かった。
「お前、熱でもあんのかよ」
「そ、そんなもんないわ!…っあんたええ加減にせんと監視カメラつけるかんな!!」
「は…?」
『……日向君って―――――』
夕焼けが眩しい。
走っていく足が何だか浮いている様に思えた。
熱い。熱い。ぼうっとする。
多分、いや絶対に其れは…あんな事を言われたから。
『ー何時も、あんたの事見てるじゃない。』
END
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はーい、過去ネタでっす。
ふぅ、結構ネタを完成させることが出来ました。
疲れたんで今日はここまで。