「成長、そして企み」
「じゃあ、ペアごとに準備体操してみてー」
そう体育の先生が生徒達に呼び掛け、ぴーっと笛を吹いた。
元から、力の具合や、相性などの組み合わせで決まっている"ペア"で生徒達は準備体操に取り掛かった。男同士、女同士のペアもあれば、棗と蜜柑の様に男女のペアもあった。
只今の授業は一ヶ月ぶりの体育。何故一ヶ月ぶりなのかと云うと、其の間に何日かの冬休みがあったのだ。
最初に取り組む準備体操は、一人が両足を伸ばした格好で座り、もう一人がその背を押すという様なもの。体育の時間は何時もこの準備体操をする事が決まっている。
然し、今日は何だか違った。いや、今日から違うのだ。
「なつめーーっっ!どこ行くん!!?」
其の声と共に一斉に顔を向けた生徒達の目に映ったのは、両足を伸ばした格好で座ったまま怒っている何時もの少女と、其の少女から去っていく少年。一体、何があったのだろうか。
何時も少年は、少女が『痛い』と言って泣き叫ぶ程にその背を押し、何だかかんだと言って体操をしていた筈。
「ちょおっ待てや棗!!」
「…っせえな。てめぇ一人でやってろ」
去っていく少年を追い掛け、少女は少年の腕を両手で力一杯引っ張った。然し、其れがまたいけないのだ。少年は敏感に肩を揺らすと、そっぽを向けて思い切り手を振り払った。そして其の侭校舎に戻っていってしまう。少女もまた其れを諦めずに追いかけた。
そんな二人の状況を見、くすくすと笑っている生徒が一人。蛍だ。何故、少年があのような状態になっているのか只一人この少女が知っているのだ。というか、この少女が少年をそうさせた真犯人。
「日向君も、大変ね……」
冬休み中に蜜柑にあるアドバイスをしてみた事がきっかけ。
(…っあいつ、いつからブラなんか付けたんだっ)
『みかん、もうそろそろブラジャーをしてみるべきよ?』
全ては、親友を手放したくない悪戯少女の企みである。
END
-------------------------------------------------
背を押すとねー、ブラジャーの感覚がわかっちゃうんですよね。
思いもしなかった蜜柑のいきなりの成長に棗氏も戸惑っちゃったってわけなんです。
んで、蜜柑の胸を意識してるってことは、共に棗も成長してきてるってことですよね。
全ては蜜柑に必要以上につっかかってくる棗をどっかおっぱらう蛍の作戦だったんです。
「これで、そう簡単には近づけないでしょ?」by蛍
あー訳わからん。