「puberty」
〜厭らしい年頃〜


歳を重ねるごとに学習する"コト"も変わってくる。性的知識、コンドームの必要性。足し算、掛け算、分度器の使い方、あれらはどこへ行ったのか。
人間【ひと】は、成長するごとに他の必要な知識まで頭に入れていかなければならない。そういう知識を覚えるものだから、興味を持ってしまうのは仕方の無いこと。

初等部から一緒の茶金の髪の彼女はただ一人補習中。現在では、その二つ結びの髪を解き、大分大人っぽくなった。初等部卒業と共に彼女と付き合い始めた黒髪の青年は、そんな彼女の課題が終わるまで一緒に教室で待ってやっていた。その様な優しい振る舞いくらいは出来るのだ。無論、彼氏なのだから。
「苛々するぅ…」
彼女は未だ動きを見せないシャーペンを握り締めてそう呟いた。
彼女が取り組んでいる課題は数学。先日返されたテストで二点だったのだ。
頭を抱えるのは無理もない。
そんな彼女の課題を手伝う気も無い青年は、そんな彼女を黙って見下ろしていた。
其処で青年の目に入ったのは彼女の胸元。最近では、首から胸元までのボタンを二つまで外し始めた。あの頃はキチンと全部のボタンを閉めていたのに。成長するってこういう事なのか、と考えさせられてしまう。無論、この年頃になった青年がそのブレザーの先にあるものに興味が無い訳が無いのだ。
そして、にやりと悪戯笑いを一つ。
「…気分転換に楽しい事でもしてやろうか」
「楽しい事ってなに!?してして!!」
彼女の其の言葉を確認すると、青年はそっと彼女の隣に座り、顔を近づけた。彼女は本能的に少し後ろによろめいたが、青年は逃げようとする腕を捕まえ、其の侭彼女に口付けた。
深い口付けをし、さり気無く青年が彼女の胸の膨らみに手を滑らすと彼女は覚醒した。途端、どんっという鈍い音と共に引き裂かれる二人の身体。耐えられなくなった彼女が思い切り青年を突き放したのだ。
「なっ…ななな、棗!!あんたっ何して…っっっ」
「いいじゃねえかカレカノなんだし。まな板だし」
「まな板は余分じゃ!!!」
真っ赤な頬でご立腹する彼女は如何やらその気ではないらしい。だが、其れに対し青年の方はやる気満々。最近、保健の授業が多くなってきている所為もあるだろう。
彼女はぎこちない動作でまた課題作業に戻ってしまった。然し、青年には諦める気等ある筈も無く、頭を抱えている彼女の赤い耳を優しく噛んだ。其の刹那、飛び上がる彼女の身体。
途端、彼女の身体は其の侭椅子の上に倒れ込んだ。ではなく、押し倒されたのだ。頭の中が真っ白になっている彼女に御構い無しに、青年は彼女の太腿に手を伸ばした。
乱暴に彼女の足を開かせると、其の両足を自身の両肩に掛けた。青年から彼女の其処が丸見えな状態になってしまっている。
「本当は興味あんだろ?」
そう言ってにやりと笑うと青年は、彼女の其処をショーツの上から人差し指で突付いた。反応する彼女を見、青年は其の侭人差し指をねじ入れた。微かに湿り気を感じてくる。
「や、やめ…っ!興味なんか、ない…っっ!!」
「どうだか」
青年はからかう様にそう呟くと、彼女のショーツを下ろそうとした。
然し、その時だった。
急に教室の戸が勢い良くガラリと開いた音がし、其の状態の侭二人は戸の方に顔を向けた。
其処に立っているのは、にんまり笑顔の赤い服を着たサンタ…ではなく、鳴海。
途端、青褪める二人の顔。
「思春期だからって、学校でヤッちゃいけないぞ♡」
ぱたん。
教師らしくない教師は其れだけ言い残し出て行ってしまった。
何時から居たのか。何時から見ていたのか。というか、何故其処に居たのか。
残された二人の表情は勿論呆然。

会話を切り出したのは青年。彼女の乱れたスカートを軽く直してやると、鞄を持ち上げ身体を起こした。そして横たわっている彼女の腕をゆっくりと持ち上げる。青年の表情は明らかに"怒り"が表されていた。
「…帰んぞ。」
「っええ!!?」
「…続き、したかったのか?」
「やっ…そ、そうやなくて…!」
「また今度してやるよ」
「……っっ」
物足りない、そう感じてしまうのは彼の所為なのか。
其れとも、成長した自身の心の変化による物なのか。
どちらにしろ、彼女にとっては其れが厭らしくて堪らなかった。
思春期とは恐ろしいものだ。
若しかして、彼より"そういうこと"がしたいと感じてしまっているのかもしれない。

人間【ひと】は、成長するごとに他の必要な知識まで頭に入れていかなければならない。
そういう知識を覚えるものだから、興味を持ってしまうのは仕方の無いこと。

(ウチって厭らしい……っ)

課題の事を忘れ帰ってしまった彼女が、
翌日神野先生に怒られる等言うまでも無いだろう。


END
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お久しぶりの小説。手が鈍っております。
これ書いてる途中で思ったこと『どうしよう……』。
ただ蜜柑の足を開かせてる棗を書きたかっただけだから最後どうしようか迷った。
崖っぷちな状態で鳴海先生が来て終わるというマイナーな結末に。
全く意味の分からない小説になってしまった。多分これ読んだ人の反応は、
『……ん…?』だと思う。