もしも、この夜空に願い事をして其れが叶うとしたら…
自身は、強くなりたいと願いたい。
どんな辛い事があったって、乗り越えてゆけるから。

もしも、三回願い事を唱えて其れが叶うとしたら…
自身は、翼が欲しいと願いたい。
寂しい時でも直ぐ、君の処へ飛んでゆけるから。

もしも、ずっとずっと願い続けて
其れが叶うとしたら……


「I wish」
〜もしも、願いが〜


"もしも願いが叶うとしたら、何て願う?"其れは、時々テレビや、周りで耳にする言葉。そんな事、一度も考えた事がなかった。寧ろ、願いが叶う等とそんな夢溢れた事は絶対に無いと思っていた。

「なあ、棗。もしも、願いが叶うとしたら…棗は何を願う?」
言うと思った。現に、何故だか最近其の話題がB組では流行っているし。
放課後、今日は栗色な髪をした少女と水遣り当番。何故彼女となのかって、其れはパートナーだから。当たり前。本当は其の侭さぼって帰ろうと思っていたが、頑固な少女に止められたのだ。

かったるい。
少女は何処か楽しそうに答えを待っている。
「んなもん、叶う訳ねえだろ。」
其れが正直な話。話を聞くだけでもかったるい、子供じみた話。子供だから考えられること。
其れだけ言って、くるりと身体を回転させてまた歩き出す。空っぽになった如雨露【じょうろ】を右手に持って、先頭で。其れくらい持ってやる優しさは、ある。

顔を見なくても、少女が後ろで頬を風船みたいに膨らましている事は分かった。
でも、自身の答えを期待した方が悪いのだ。
「…っあんた、ほんっっまに夢ないな!もしもの話やって!」
せやから言え、と少女は後ろで怒鳴ると、自身を追い抜き、自身の目の前に立ち止まった。少女は真剣な瞳で此方を見てくる、いや睨んでくる。正直疲れて、思わず溜息が出た。



「…アリス消滅。」
「…は?」
「それが俺の願い」
正直な話を言った。此処に来た時からずっと思ってきた事。必ず実現させたい複雑な願い。助け。
これを言うと皆何を思うのか口篭る。謝ってくる奴だっている。聞いてはいけないこと聞いた、そう思うんだろう。


ーけど。

「つまんない願いやな」
ぽつり、と出された言葉に思わず頭の内側に風が当たったかの様な感覚に襲われる。つまらない願い、其れが何回もリプレイされて頭の中を回転する。
何だか無償に腹がたって、眉を潜め、少女を睨みつけた。
「…もう少し、息抜きしてみーひん?」
「は…?」
「あんたの言ってる事、暗いことばっか。息抜きする事も大切やで?」
言い終わると少女は何事も無かった様に前を歩き出す。
太陽の光を浴びて、太陽の光に向かって、一直線に。

「うーん…ウチやったら、みんなや蛍とずぅっと一緒にいたいとか、いつまでも元気に暮らしたい、とかそうゆう事願うけどなー。あとー…」
馬鹿らしくなってくる。馬鹿な奴に馬鹿な話を聞いてると。
自身が思ってきた願いが如何でも良くなってくる。
阿呆らしい。
馬鹿らしい。
人間の願い等、醜い物だと思っていたけれど。


ー自然と笑みが零れた。







「………………に、なりたい。」
風が吹く。
光輝く。
キミガイル

「…ん?今何か言った?」
「何も言ってねえ」

もしも、この夜空に願い事をして其れが叶うとしたら…
自身は、強くなりたいと願いたい。
どんな辛い事があったって、乗り越えてゆけるから。

もしも、三回願い事を唱えて其れが叶うとしたら…
自身は、翼が欲しいと願いたい。
寂しい時でも直ぐ、君の処へ飛んでゆけるから。





飛べなかった鳥が飛べるような。
泣いていた子供が笑顔を見せるような。
そんな願い。

ー今、強く思う。







『……しあわせに、なりたい。』

もしも、ずっとずっと願い続けて
其れが叶うとしたら……

自身は、しあわせになりたいと願いたい。
何時も君を想い続けて、
何事も恐れずに、君の隣にいたいから。


END
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過去ネタ使いました ぁ
アリスサイトじゃなかったときの小説のネタを使いまわし。
なんか、終わり方が自分的に好きじゃない。
一言や、会話で終わらせるのが好きなんだけど。