そんなもん知らんわ…

しょうがないやん…



しょうがないんに………


――――――――棗の阿呆…


けど…
誕生日おめでとう――――――。





君 へ の 罰




「……なんなん。なしてこんなザワザワしとるん。」

いつにもまして、B組の教室はザワザワしていた。こそこそと内緒話をしている者…うずうずとしている者…そして、うかれている者。女子も男子も同じような行動をしている。それに、何故かみんな絶対に手に何かを持っているのだ。それぞれ大きさは違う。小さいものや、大きいもの、どでかいものまで…。蛍はいつものようにしらーっとして、持っているといえばいつもの発明品を作るための道具だが、委員長は可愛いピンクのリボンでくるまれたテディベアの模様が描かれているどでかい袋を両手で一生懸命落とさずに持っていた。

当然、蜜柑にはなんの事か解らなかった。だから、なにも出来ずにただそこで突っ立っていた。
そして、自分の横を通り過ぎようとした男子に質問した。

「なぁ。なしてみんなザワザワしとるん?それに箱とか持って…今日なんか特別な日なん?」

そう聞くと男子はさっきまでのうかれ顔とは裏腹に何故か蜜柑をギロリと睨みつけてきた。
そして蜜柑の前にずかっと顔を寄せるとこう言った。

「お前、何も知らねぇんだな。それぐらい知っとかねぇとあとでひでぇめにあうぜ。」

そう言うと、『ふんっ』と不機嫌そうにどかどかと歩いて行ってしまった。






――――――ひどいめ………?




すると、後ろからひょっこり蛍が顔をだしてきた。

「そういえば、あんたに言うの忘れてたわね。」
「…へっ?」
「11/27日、誕生日なのよ。」
「…た、誕生日……??」
「毎年、なにかあげなきゃいけないのよね。ほんと面倒臭い日よ全く。まぁ、あげなきゃいけないっていうのはクラスの奴らが勝手に決めた決まりなんだけど…。」
「え…っ……で、誰の誕生日なん…??」




「――――――――日向くんのよ。」
「な、棗……?」

その名前を聞いて、クラス中がうかれる訳が蜜柑は解ったような気がした。
一番、うかれていたのは正田さん。自分の身長や、顔までそっくり全て似させたでっかいガラスの置物を嬉しそうにみんなに見せびらかしていたのだ。棗が貰うかは問題だが。

「……蛍はあげないんやろ?」
「あげるわよ?あげないとクラス中がうるさいのよね。」

そう言うと、蛍は自分のポケットからミニチュアの変なペンギンのマスコットを取り出した。
どうやら、買うのはお金がもったいない…そう考えた蛍は自分が前発明した失敗作のマスコットをあげようと考えたのだ。失敗作のためか、何も使い道はない。けれど、天才少女蛍が発明したものだから、はたから見たら、物凄く高価なものだろう。




「えっ!?んじゃ、あげないのウチだけなん!?」
「そうみたいね。色々クラス中から嫌がらせされるだろうけど…まぁ、頑張って。」
「そ、そんな!蛍うぅぅ〜〜〜!!」

蜜柑の虚しい叫びは蛍の耳には届かず、蛍はさっさと次の発明品を完成させる為に歩いて行ってしまった。取り残された蜜柑はそこで虚しく突っ立っていた。そして、何を思うのか、目の前に偶然映った委員長のところへ走っていく。





「なぁっ、プレゼント一個あまっておらん!?おまけのマスコットとかでもええから!」
「…え?蜜柑ちゃんプレゼントもってこなかったの?ごめん…僕一個しかもってこなかったから…。」
「…そ、そっか!ありがと!」

その後、蜜柑は心を許せるような子に色々と聞きまわったが、そう簡単には見つからず、プレゼント探しはあっけなく虚しい時間へと変わって過ぎて行った。



あ〜…どないしよ………棗はどうでもええねんけど……
クラス中に嫌がらせされるっちゅーんは結構きついもんがあるやん…。

その考えていた直後。



―――ガラッ。



「棗さんだ!」
「棗くーーーん!!」

棗が来た。みんなきゃーきゃーわーわーと興奮している。
そして、一人ずつプレゼントを渡していった。それを棗が無言で受け取る。






(愛想が無い奴やな……プレゼント貰うときはもっとにっこりせんかい…)

そんな事を考えながら、やっぱりプレゼントをどうするか考える蜜柑。
そして、これから起こる出来事が大変な出来事に変わる―――。




(どないしようかな…プレゼント持ってこんかったなんて言えんし……。)

「どないしようかな。プレゼント持ってこんかったなんて言えんし。」



―――――――――――――え……?



『えっ、プレゼント持ってこなかったって!?』
『嘘だろ!?普通もってくるよな!?』

蜜柑の心を、人の心を読める少年が言葉にしたのだ。
その言葉をみんなが聞き、ザワつき始めた。クラス中の目が痛い。蜜柑はクラス中に囲まれているという恐怖に沈み込む。





……ほんと…………どないしよ……

蜜柑は、心の中で苦笑いした。すると、そんな蜜柑の前に正田さんが両手を腰にあて、ずかずかとこっちへやって来た。そして、蜜柑を見下ろす。

「プレゼントを持ってこなかったですって?今日がなんの日だか解ってるの?棗くんの誕生日よ!棗くんの!!」






「……………知らんかったんよ…。………棗、すまん。」

そう言って、棗を見たが、棗は何を思うのかすました顔でこちらを見ていた。
そして、また正田さんが口出ししてきた。

「知らなかったですって!?佐倉さんあなたそれでもアリス学園の生徒なの!?棗くんの誕生日を知らなかったなんて……っっ!」


好き勝手に言う正田さんに蜜柑はもう怒りの限界。そして、手元にあったスカートを両手でぎゅっと強く握ると正田さんの前にずかっと寄った。

「さっきからなんなん!!知らんかったんやからしょうがないやん!!それにウチはあくまで転校生や!知らんことなんて山ほどあるに決まってるやんか!!このボケぇ!!」





「……ボケですってぇ!?もう一回言ってみなさいよこのブタ女!!」
「なんやてぇ!!?この不細工調子乗り女めっっ!!!」

ついには、殴り合いになってしまった。お互いに髪をひっぱりあったりと、女ってなんて凶暴なものだろうと男子らは思っただろう。




すると……

「おい、てめぇらやめろ。」

棗がその場から軽く言った。

「な、棗くん!私なんてはしたない事を……っっ!」





「水玉…今回は、大目に見てやる。けどな、このままじゃ納得いかねぇ。」













蜜柑に解ったのは、正田さんや、その他の女子の悲鳴と、男子の興奮した声。
そして、蛍の唖然とした顔と……急に目の前に降りてきた棗の黒い髪と………瞳と唇。

何が起こったのか解らなかった。
解ったのはただ、自分の唇になにか柔らかいものが力強く触れたって事だけ。

そして、気づいたら棗の顔が自分の顔から離れていって何故かにやって笑ってた。
そして……

「プレゼントしっかり貰ったからな。」




―――――――――………。





ウチは、その後何時間も今さっきあった出来事を理解出来なかったうえ……
ずっと、放心状態でした――――。



END。
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学アリはまったばっかだったせいか、棗の誕生日二日も過ぎてしまった;
慌てて作ったせいか、意味わかんない作品になってしまった(涙
あらためて、棗くん誕生日おめでとう!!