まだ子供やから御伽話に憧れるん。

昔からお姫様だっこに憧れとった。




単純なんて思われてもどうでもええ!
お姫様だっこならなんでもええねん!




偶 然 な 御 伽 話



「保健室どこにあるんよ〜〜…。」

学園をふらふらとさまよう蜜柑。言葉のとおり、保健室を探していた。
3時間目に急に頭痛を起こし、保健室へ休みに来たのだ。けど、学園はやはり広すぎる。ここへ来てから結構経ってはいるものの、いまだに学園の部屋の数々には慣れない。頭痛のためか、蜜柑の歩くその足はふらふらとしていてぎこちない。

「…なして、こんな時に棗はさぼりで教室おらんのやぁ〜。居たら、保健室案内してもらえるんになぁ…。あいつはウチのパートナーっちゅーこと忘れてるんやないかぁ…?…っま、その前に棗が案内してくれる訳ないっちゅーの…。」

次から次へと独り言を言ってはいるが、やはり頭痛は頭痛。痛くてたまらない。蜜柑は、頭をところどころ痛そうに抱えながら、痛みを独り言で紛らわしていた。

「…その前に…この学園には保健室っちゅーのはあるんか?普通の学校と違うからってそれはないと思うねんけど…。」




あかん……さっきよりくらくらしてきたわ…。
あ〜…なんか前がよう見えん……。



――――――――………












(…ま)
『…誰……?』
(……たま…)
『…え?』

「――――水玉。おい、起きろ」
「……!!!なっ…棗…?」

目の前には、棗。どうやら、倒れかかったところを偶然棗が助けたみたいだった。
周りを見渡してみると、もうそこは保健室のようだった。自分はもうベッドに寝かされていた状態だった。おそらく棗がしてくれたのだろう。

「…やっぱ棗かぁ。どうりで、たまたまうるさい思ったら…。」
「………そこで切るのやめろよ。」





「…棗がここまでウチを運んでくれたんやろ…?ありがとな」
「………………すっげ重かった。」
「あんたはそんな事しか言えないんかいっ」

すると、棗はふぅと息をつくと『じゃあ俺はこれで』と保健室を出ていこうとした。
けど、それをなにかに止められた。蜜柑が棗の制服をひっぱったのだ。








「――ウチも行く。」
「はぁ…?」
「頭痛もう治ってしもたん。せやからウチも教室戻るっ」
「…んなすぐに治る訳ねぇだろ。寝とけ。」
「いやや!………保健室に一人なんて怖いんいやや!一人にせんといてや!」
「………………。はぁ」

棗は溜息を一つ吐くとさっきまで自分が座っていた保健室の椅子にどかっと座り込んだ。いきなりの事に蜜柑も何が何だか解らずにあんぐりと口をあけている。そして、座った時に下に向けていた顔を蜜柑に向けると棗は…

「しょうがないから、俺がお前の頭痛が治るまでここに居てやる。だから、お前は絶対にここで寝てろ…。」


「え……ええの…?」

思いもしなかった棗の一言に蜜柑は、言われるがままに頷くしかなかった。
優しいな…などと思って少しばかり棗に見惚れていると、棗がギロリと睨んできた。急な事に蜜柑はびくりと肩を弾ませた。

「……言っとくけどなぁ…、お前と俺が2人揃って居ないとなると、クラスの目がどうなるか知んねぇぞ…?得に正田とかな…。」
「…うっ。え…ええもん!大丈夫やもんそんなん!」
「ならいいけど…。」

















もうあれから1時間は経ってるねんけど…全然寝られへんわ…。
棗が目の前にいるとなんちゅーか緊張してまうんよねぇ…。その前になんかもう頭痛ホンマに治ってしもうたし…。棗は、その間雑誌読んどる………らぶりーじゃんぷ……またそれかい。

蜜柑は、掛け布団から目だけ出し、棗を横目で見るとそう思った。

……流れる黒い髪。透き通った瞳…。整った顔…………
性格よければウチの好みやねんけどなぁ…。

蜜柑は、いつのまにか棗の顔に夢中になっていた。頬はほんのり赤い。
そんな事を思っていた刹那…

「おい。」

ギク!

「起きてんだろ。気づいてないとでも思ったか?」
「……感が鋭いんやねぇ…。」

と、そう言った刹那…


「……っ!おい、静かにしろ!」

いきなり棗に手で口を抑えられた。
急な事にまだパニック状態で足をばたつかせた。





バタバタバタ

『棗くんを手分けして探すのよ!あの女仮病使って棗くんを落とす気だわ!!』

(…正田さんの声や……)

どうやら、棗はここに自分達が居る事が解らぬように蜜柑の口を抑えたらしい。廊下の足音はでかくなったり小さくなったり、いつここへ入ってきてもおかしくない状況だ。それに、蜜柑達を探し回っているのは正田さんだけではない。正田さんに命令された、たちの悪い男子ら数人もだ。けど、アリス学園は広い。人を探すのにも一苦労だ。だから、それを願うしかなかった。きっと、見つかったら正田さんに殺されるだろう…。




――それから何分かあと……

「……行ったみたいだぞ。」

そう言うと棗はふぅと軽く息を吐くと力を抜いた。
すると、それと同時に自分の口を抑えていた棗の手を蜜柑が乱暴に離した。

「……っっぶは!!!は、鼻も抑える事ないやんかぁ!死ぬとこだったやん!阿呆棗!!」







『…!?ちょっと!こっちで声が聞こえたわよ!?』

バタバタバタ



―――――――えっ……!

「ちきしょうっ、これだから水玉はっ…!」

気がついたときには自分の身体が宙に浮いていた。まるで自分が飛んでるみたいだった。次に目にしたのは、学園の外。緑の美しい木が目に映った。

棗が、蜜柑を抱いて窓から外へ飛び出したのだ。
いわゆる……お姫様だっこというような形で…。

(ウチ、棗にお姫様だっこされとるん!?)



すたっ
着地成功。

『あら!?居ないわ!?確かに聞こえたと思ったんだけど……』

バタバタバタ.....




「おい。早く降りろ。重ぇだろ…。」
「あっ…ごめん…!」

蜜柑は、そう言うと棗の足から下りた。
そして、二人ふぅと安心の息をついた。



「――なぁ…」
「あ?」
「さっきな、夢みたいだったん。」
「……はっ?」
「お姫様だっこしてくれたやろ?あれ昔からめっちゃ憧れてたんよウチ!」
「……………なに言ってんの。お前……。」
「御伽ばなしに出てくるん!お姫様だっこ!」
「………だから?」
「だからなぁ………





―――――――――――――――ありがと!」

「…………。」





「………お前ってほんと……単純な奴。」

そんときあんま棗の顔がみえへんかった。
下俯いて、顔隠してしもうたから。

でもな、顔が赤かったっちゅーんはわかったんや。
なんでかはわからんけど――――……。


END.....
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
意味わからーーーーーん!!いや、ほんと意味がわからない!!
なんか、頭痛の意味がないっつーか!今回はあんまりすらすら作成できませんでした。
なんか、説明より発言が多い…。失礼しましたぁーーー!!