「jealousy」
〜嫉妬〜
「ほたるぅ〜!ほっぺちゅーーー」
「やめてよ、汚いわね」
そんな光景を見ていた棗と流架。
「あいつは何やってんだ…?」
「なんか今佐倉の中でほっぺにキスするのがブームらしいよ」
聞き終えると、また棗は蜜柑へ目線を移した。蜜柑は誰に構わず、頬にキスをしていた。野乃子ちゃん、アンナちゃん、パーマ…増してや男子の頬までにもキスをしていた。
そんな光景を見て、棗は眉を潜めた。流架も流架で複雑そうにその光景を見ていた。
「あいつは誰にでもあんな事するのか…」
「え…?うーん…俺もさっきされたし、ね……」
何気に爆弾発言を言ってみれば、横で棗が口をぽかーんと開けてこちらを見詰めていた。
…しまった。
「ほ、ほら棗!また佐倉が……!」
と、咄嗟に言うと、また棗は蜜柑に目線を戻した。良かった、と流架は心の中で息をついた。安心したのも束の間、急に棗が蜜柑の方向へ動き出した。
「え…棗っ!?」
「…ちょっと行ってくる」
何か嫌な予感がして、止めようとは思ったが、間に合わなくてただそこで立ち尽くしていた。
「おい、ブス」
「なんや棗っ。ウチのブームをパクりにきたんか!?」
蜜柑がそう言った瞬間、蜜柑の顔は一気に影で覆われた。覆われたと思ったら、すぐにクラス中の悲鳴や興奮した声が響きまわった。強引な口付け。数秒だったものの、それは生々しくすぎてクラス中の生徒の頭に一生残るような口付けだった。
離れた唇。蜜柑はまだ何が起こったのか理解が出来ず、ただぽかんと突っ立っていた。
「そのブーム、今日限りでやめろ。じゃないとこうするぞ」
そう怒りも込められた一言を言い捨てると、棗は流架を連れてしーんとした教室から出て行った。
一瞬の出来事。
やっと我に戻った蜜柑は……
「もうやっとるやないかーーー!!!//」
と文句返し。
その日で蜜柑のブームは幕を閉じた。
その代わり、蜜柑にはトラウマが出来たのであった。
END
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蜜柑は俺のもんだ。