「LOVE作戦」
それは放課後。何時ものように少し重いカバンを肩に背負いながら見つけたのはツインの少女の後姿。自分から『一緒に帰ろ』なんて言うのは性に合わないので、何か気づかれるような作戦を考えた。
背負っていたカバンを一旦、地面に置き、その中から貰った適当なプリントを取りだすと固く丸めた。そして、それをツインの少女の方に思い切り投げる。そんなに遠い距離じゃなかった為か、すぐにその頭に命中した。
すこんっ
「…っだ!」
少女は情けない声を出すとすぐに投げた人物の方に振り向いた。
「何すんねん!棗!!」
「どんな阿呆面が居るんかと思ったらやっぱお前か」
「ぜっったい技とやろ!」
「そうだけど?」
「うぅ〜!腹たつわぁ!」
そんな事を言っているともう棗は蜜柑の横に居た。何時の間にか作戦成功。
先程まで重い荷物で苛々していた棗だが今は上機嫌だった。
「…お前、何それ」
棗の目線に飛び込んできたのは蜜柑が沢山抱えている色んな大きさの箱や袋。ピンク色だったり黄色だったりと色んなラッピングがある。
「あぁこれ。今、女子の間でプレゼント交換が流行ってんねん。これは蛍から貰った馬鹿直し機、これは野乃子ちゃんから貰った消しゴム…あと…」
(女ってそういうの好きだよなぁ…)
そんな事を思って息をひとつ吐いた瞬間、ある悪戯を思いついた。
そして何時ものようににやりと不気味に笑む。
「俺ともプレゼント交換するか?」
「えっ棗もあんの!?でもウチ、プレゼント持ってへんよ…?」
と、蜜柑が深刻そうに言うと。
「持ってなくていいんだよ。俺があげるのは物じゃねーから」
と、棗は面白そうに言うとぐっと蜜柑に近づいた。けれど、蜜柑はまだ気づいていない、棗の企みに。
「ほ…?どういう意味?」
蜜柑がそう問うた刹那、蜜柑は物凄い勢いで棗に腕を引かれた。思い切り寄った顔は棗の唇に触れるか触れないかの距離。
そして…
「キスはいかがですか?お姫様」
これで蜜柑を困らすつもりだった。
けど、彼女は…
「…ええよ」
予想外。
「……あ?」
顔を真っ赤にして何かを堪える少女。
棗は棗で目が点。そして珍しく焦っている様子。
「…なんて、言うと思ったか!セコ男!」
そう投げ捨てて一人で走っていってしまった少女。
棗はそんな後ろ姿を見て唖然とするのだった。
…俺とした事が……。
「やられた……」
参った、という風に苦笑いをひとつ。
(明日あたり強引にいってみるか…)
棗の新たな作戦(仕返し)が始まった。
END
---------------------------------------
続き物では御座いませんのであしからず。