(光くんと馨くん)


暇つぶしにハルヒの家を訪れた帰り、先頭を歩く僕の腕を、後ろにいる馨が引っ張ってきた。ゆっくりと振り向くと、馨が少し微笑んだ気がした。微笑んだ馨の気持ちがよく分からなくて、まじまじと顔を見ようとするが、暗さを増す赤い空が視界を鈍くさせる。
腕は未だしっかりと握られていて、馨が離す気配もない。ぼやけた視界の中にいる馨は、ただ薄い微笑みを浮かべている。よく見えなかったけれど、その時の馨が何時もと違うということと、その笑みが切なさを訴えているということは何となく分かった。
「かおる…?」
小さく名前を呼ぶと、馨がまた微笑んだ。腕を掴んでいる手は少し震えていて、先程より握る力が強くなったようにも思える。何故だか遣る瀬無くなってきた。
「…僕、光のこと好きだよ」
そう聞こえた次の場面では、もう馨の表情に"微笑み"はなかった。大きく見開く瞳に映っているのは真剣そのものの彼の姿。彼の言葉の意味はよく分からなかった。
馨が真剣になっているのに、何故だか僕の脳裏には彼女の姿が浮んでいて、気づいたら僕は彼の手を振り解いてしまっていた。




広がる世界、遠くなる

存在


(彼の一番が変わってゆく)




馨→光→ハルヒ好きですvうーん私は双子のこてこてBLより片思いの切ない感じのが好きなのかも。