(光くんとハルヒちゃん)


皆より一足早く部室に入って、後から来た皆を驚かせようと思っていた。全ては純粋な悪戯で。あんな場面を見ようとか、そんなつもりではなかったのに。
『…なん、で…』
ソファの後ろで小さく屈んで隠していた身体をゆっくりと起き上がらせて、僕は小さな声でそう呟いた。見てしまったのだ。ソファの後ろに隠れて数分経ったとき、部室にハルヒと殿が入ってきたから驚かせようとしたその時、二人はきつく抱き締めあった。
僕の存在に気づいた二人は驚き、軽くお互いの身体を離した。僕はその二人の姿をぼんやり見ながらただ立ち尽くして、混乱と、苛立ちと、悲しみに一気に襲われていた。
「…なん、で……っ何で…何で…!」
「…光…っ!?」
「…っなんで…!?何でなんだよ…!!?」
二人が今どんな表情をしてて、どんなことを考えているかなんて、今の僕には当然考える余裕なんてなかった。ただ僕は『何で?』と同じ言葉を繰り返しながら、狂ったように叫ぶことしか出来なかった。『何で?』と言っている自分の心境さえ分からずに、ただただ意味も分からずその言葉だけを繰り返した。
「何で…っ!いやだ…!いやだよ!!」
混乱して、無性に腹が立って、とてつもなく悲しかったんだ。怖くて怖くて、ずっと大切にしていた人形が誰かにとられてしまったような、そんな気持ち。初めての感情。
僕はまだまだ子供で、でもその時やっと”ああ僕はハルヒが好きだったんだ”って気付いたんだ。




君はもう届かぬ

夢の中


(まだ僕は子供だった)




シリアスーーー!!うおーーごめんなさい!!
光がずっと気づかなかったらこんなことありそうだなあ、と。