「君と僕の秘密制作」 〜Hikaru〜 |
今日は一段と女子の迫りが強くて、茶色髪の少女は図書室へと逃げ込んだ。外から女子達の獲物を狙うような声が聞こえてきたが、ここに逃げ込んだことはどうやら分からなかったようだ。
一つ息を吐いて広いにも程がある図書室を歩く。階段を登ってテーブル近くまで行くとよく知っている人物を発見した。
同じ部の、双子の片割れだ。それを"攻めの方"と表現すればどちらの人物かお分かり頂けるだろうか。ぼうっと奥の椅子に座っている片割れはすぐに少女の姿に気づくと笑みを浮かべて近づいてきた。
「ようハルヒ!」
「どうしたの?っていうか授業は?」
「さぼりだよさぼり。お前は?」
「何か女の子と話してるのちょっと疲れちゃって…」
「逃げてきたって訳?」
そう片割れはニッと面白そうに笑うと目の前の椅子に座った。そして何も言わずに隣の椅子を指差し、少女をそこに座らせた。暫く話していたが、何故か少女には違和感があった。目の前の少年に何かが足りないのだ。
「ああそう。馨は?」
そうだ。馨の姿がないのだ。二人はとても仲が良くて常に二人で行動しているのに。寧ろあの二人は、二人で一つと言っても良いくらいの仲なのだ。
それが今日は光一人。見慣れない光景に少女は少し違和感を感じていた。
「一人になりたい気分ってあるんだ。馨もそう感じる時が一緒だから、たまにこうやって別行動するんだよね」
と頬杖しながら言った後に片割れは"馨は裏庭"と付け足した。どんなに仲の良い双子でもやはりそういう時があるのか、と少女は感心していると、片割れが何時の間にか少女の顔をじっと覗き込んでいた。いきなりそこに顔があったもんだから、少女は素直に驚いた。そんな少女につっこむことをせず、片割れはそのまま口を開いた。
「いいよな〜ハルヒは。秘密があってさあ」
「はあ?」
意味不明な片割れの言葉に、少女は思わず間の抜けた声を漏らしてしまう。片割れは唇を尖らせて拗ねたような表情をしている。
「ハルヒは女ってことを皆に隠してるじゃん?僕も何か秘密が欲しい」
「…別に良いもんじゃないけど」
「僕もスリルを感じたいんだよ。昔読んだ小説みたいにさ」
片割れは、小学生の時に初めて読んだ憧れだった小説を思い返していた。父から強請り続けて、ついに貰った小説の一ページを開いたとき、大人の世界に踏み込んだような気がした。それが凄く嬉しかった。偶々読んだ作品の主人公が"秘密を持った男"で、片割れはその頃から秘密という言葉に憧れを抱いていたのだ。
「じゃあ作ればいいじゃんか。秘密を」
「…作る?」
「欲しいんでしょ?だったら作ったら良いよ」
近くにある本棚から一冊本を取り出しながら少女が淡々とそう言うと、片割れの表情はぱっと明るくなった。そして嬉しそうな笑みになる。その表情を確認すると、少女は片割れに優しく笑い返した。
「作る、か…。何にしようかな」
そう言いながら片割れは辺りを見渡しながらそわそわしだした。表情はとても嬉しそうで子供みたいだ。その幼げな表情に、少女は"可愛いなあ"と思い見ていると、ばちっと片割れと目が合った。そのことに少女は動揺せずに片割れとそのまま目を合わせていると、片割れの瞳がすっと薄くなり、口元が微かに緩んだ。何か企んでいるようなその表情。しかし少女は何も気づかなかった。
大きな瞳をぱちくりさせていると、何時の間にか片割れの顔が近くなり、ゆっくりと唇が触れた。その瞬間、少女は覚醒したが押し戻すことをせず、そのまま硬直状態に陥った。ふわっと触れただけの接吻は徐々に深くなり、少女の舌を仕留める。
「…っ」
手に持っていた本が机にばさっと落ちると、それはゆっくりと離れた。そこまで変化のない呆然とした表情で片割れの顔を見ると、片割れは自分の唇に人差し指を押し当てて静かに笑っていた。さらにその指を今度は少女の桜の唇に移すと、耳元でこう囁いた。
「…僕とハルヒだけの秘密」
そう声を落とすと、片割れは図書室を出て行った。
END
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なんか光より馨の方が合ってたかな…?
5月1日の今日の朝に浮んだネタ(忘れないように急いでメモ!!)
なんかホスト部だとどんなCPでも書いてるの楽しいな☆
ってかキャラの口調合ってるか心配。
光は秘密を作っちゃいましたね。環へは絶対ばらしちゃいけない
光とハルヒ二人だけの秘密なのです。環が知ったらどうなることやら。
お父さんは許さないぞーー!!だけではすまないのでしょうか笑