技となんじゃないかと思う程、少女が可愛らしい発言や可愛らしい表情をするもんだから、少年は其の身体を抱きしめようとした。然し、少女は少年の腕をスッと避け、明らかに技とらしく帰る支度をしだした。
「何で避けるんだよ」
「えっ?な、なんのことぉ?」
少年の彼女である少女は、少年と接近するのが恥ずかしくて避けていた。付き合い始めの初々しい時期ってやつである。然し少年には初々しさの欠片も無かった。直ぐに容赦なく少女に迫るのだ。
ぎこちなく鞄に教科書をしまう少女に少年はまた近づいた。顔を近づけて、其の侭少女にキスをしようとすると、また少女が避けるように少年から離れた。
「大変やぁ!もう学校閉まってまうで!棗急がへんとぉ!!」
頬が赤いのを隠しながら、少女は鞄を背負って少年の腕を引いた。然し少女の焦らしの所為で完璧に不機嫌になってしまった少年がこのまま帰る訳が無いのだ。
少年は少女に掴まれている腕をくるりと回転させると、其の腕を掴み返して壁に押し付けた。行き成りの事に、少女も目を白黒させている。
「…逃がさねえ。」
そう小さく呟いて、少年は壁に押し付ける様に少女にキスをした。
逃さず、奪う
(おいてけぼりは好きじゃない)
*
え?これで終わりだけど?