(新↑ 古↓)
途中まで書いて飽きた作品とか(ぉ)
※続きを書くことありません。御了承下さいませ。
全て2003年〜2005年に書いたものです。
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【 innocent love ― 純愛 ― 】


今日は、花の水遣り当番。
運悪く、黒髪少年とパートナーというだけに、二人っきりでの当番だ。

前の少女ならば、黒髪少年と一緒の行動をする等耐えられないくらいだったが、今はそんな気持ち等はさっぱり消えていた。それは、黒髪少年が閉ざしていた心を少し開いてくれた、という理由もあるかもしれないが、もう一つは、本人は気づいてはいないが、きっと少女が黒髪少年に恋をしているからであろう。

そして、また黒髪少年も少女に心惹かれているのだ。

「綺麗やねぇ」

花壇にしゃがみ込んだ少女が目にしているのは、花壇に植えられた沢山の花。赤に黄色に青など、様々な色の花があり、太陽の光に反射されていてとても綺麗である。

少年はというと、少女の言葉に返事を返すつもりもなく、ただ他の花に如雨露【じょうろ】で水をあげている。まぁ、心の中では少女と同じように『綺麗』だと思っているのだが、少年は少女の様に素直に言える性格ではなくて。

「見てないでお前も仕事やれ」

そう苦情をぽつり。
その言葉に反応して少女は、ぶぅと頬を膨らますと『はぁ〜い』と軽く声を出して、しゃがみ込んでいた身体を気だるそうに起き上がらせた。そして、自分も地面にあった如雨露をとると近くの花に水をあげる。

すると。

「あれ〜?何やこの花!」

少女のその言葉に反応して、思わず少女の目線にある花を見やる。

目に映った花は、真っ赤な鮮やかな一本の花だった。今までこんなに綺麗で心癒される花等見た事があっただろうか。無意識にその花に寄って行く足に少し混乱した。

「………めっちゃ綺麗……」

輝いた目を真ん丸くさせてまたしゃがみ込んだ少女の隣に自分も思わずしゃがみ込む。
触れてみたい、そう思って手を近づけたが、その花が美しすぎる為か、自身が汚れて感じて、手を思わず引っ込めた。

普段、どんなに綺麗な花でも興味を示さない棗だが、何故かその花には珍しく目を輝かせている。

何だか、引きつけられるものがこの花にはある。
けど、それが何なのかは分からない。

「岬先生なら何か知ってるかもしれへん!」

@岬先生が登場する前に終わってしまったよ…。
すいません、飽きっぽくて。

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【 bodytemperature 〜人肌 恋しさ〜 】


蜜柑が風邪を引いた。

「蜜柑、大丈夫?」

そう蛍が優しく言葉をかけると、蜜柑は無理に笑顔を作りながら『大丈夫』と小さな声で呟いた。
明らかに大丈夫じゃない。蜜柑の顔は真っ赤で、動きもふらふらとしており、今にも倒れそうだ。

多分、、いや、絶対にあれがいけなかったのだと思う。
昨日、遅くまで寮の近くの庭で蛍と委員長と蜜柑で水遊びをしていたあれが。
しかも、蜜柑は調子にのってホースからの大量の水を頭からぶっかけたりしていたのだ。

そして、次の日の朝。
教室で具合悪そうに蛍に頭だけおっかかる、今にいたる訳だ。

何回も蛍や、他の生徒が『保健室に行け』と言っているのだが、蜜柑はいっこうに聞こうとしない。何故なら保健室に行けば、必ず『早退しろ』と言われるからだ。蜜柑は、欠席、早退ゼロを目指しているのだ。何とも活発な蜜柑らしい理由である。

「ちょっと、蜜柑。好い加減にしなさいよ。死ぬわよ?」
「そうだよ蜜柑ちゃんっ、早く保健室に行かないと手術するかもしれないよ!?」
「そうだよそうだよーっ。ってかもう君死んでるよ?」

と、蛍と委員長、他の生徒達(心読み君等)が明らかに大げさに言ってみても蜜柑は首を振るだけ。

なんて我慢強い。

「ウチほんまにだいじょ〜ぶやってぇ〜…ごほっごほッ!」

と、言いながらセキをしている蜜柑を見、ただ皆溜息を吐いた。

「ほんま大丈夫!ほら!こーやって踊れるし!」

そう言って何だか訳の分からないダンスを無理矢理踊る蜜柑。
そのダンスにダンシング音無しさんの目が光ったのは言うまでもない。

けれど、無理矢理踊ったのがいけなかった。
蜜柑の頭はくらつき、急にその身体は崩れ落ちた。

がしっ
崩れ落ちた蜜柑の身体を咄嗟に抱き止めたのは蛍。

「……ったく、無理すんじゃないわよ」

そう眉を潜めながら呟くと、蜜柑の首根っこを乱暴に掴んで、自身の発明品である高速スワンに乗って蛍は保健室へと向かっていった。それは、ほんの一瞬の事でそれを見ていた生徒達は不思議そうな目でそれを見送った。

そんな事が起きて何分後の事だろうか。
あの少年がカバンを背負って教室に入ってきた。

「なつめっっ」
「棗さんおはよう御座います!!」

教室を入って直ぐに流架や、大勢の取り巻き達に囲まれたのは日向棗。一時間遅れの彼のその登校に疑問をぶつける生徒は誰一人と居なかった。何故なら、時々彼はこうやって遅れをとって登校してくるからだ。
その理由の一つはダルさから。もう一つは多分ペルソナ関係だろう、それを知っている一部の生徒達はあえてその疑問を口には出さない。

席についてみれば、珍しく空いている隣の席。
何時もならば、元気すぎて煩い少女の声がある筈なのだが。

早くも彼女の存在が無い事に気づいた棗は隣の流架に尋ねた。

「流架、水玉は?」

その質問に、流架の眉が微かにしわを寄せたのが分かった。

「何だか風邪で具合悪いみたいでさ…。
ついさっき倒れちゃって、今、今井が保健室に連れて行ったんだ」

返ってきた言葉に何だか必要以上に反応してしまい、思わずそれが表情に出てしまった。
けど、それは一瞬だけの事で直ぐに流架に気づかれないようにそれを冷静な表情に戻した。

ーあいつが風邪?
珍しい事もあるもんだ……。

それだけで良いのに、
自身の頭の中はそれ以上に少女の姿を膨らましていく。

そんな自身に少し戸惑った。

「………そう、か…」

やっと返せたその言葉に少し寂しさを感じたのは気のせいだろうか。





チクチクチク...

二時間目、三時間目、四時間目、給食、、と、時間は刻々と過ぎていく。
そこまでは何ら変わりは無いが、やはり少女が居ない一日というのは大分違ってくるようで。

「……何か、つまんねぇ」

そう呟いてみれば、棗と流架を混ぜて楽しそうにトランプで遊んでいる取り巻き達の一人が身を乗り出してきた。

「え〜っそうっすかぁ?俺らはすっごく楽しいですけどっ」

悪、というイメージのある彼らだが、トランプ遊びをする様は普通の可愛らしい小学生と何ら変わりはなくて。どの子も無邪気に可愛らしい笑顔を溢していた。

「俺はつまんねんだよ、お前らみたいな単純な奴と違って」
「え〜っ!ひどいっすよ棗さぁん!」

そう皮肉事を言っても怒りもせず、顔をしわくちゃにして泣きそうな表情をするあたりもやはり小学生。
可愛いらしいったらありゃしない。

「……ほんと、つまんねぇ…」

どうしてこんなにつまらないと感じてしまうのか。
そんな事を思っていると。

「…なつめ」

流架が取り巻き達に聞こえないような小さな声で喋りかけてきた。

「……何だよ」
「やっぱり佐倉が居ないと退屈?」

やはり、尋ねられた内容は少女の事で。

「そんなんじゃねーよ」

そう言ってみたら流架が少し笑った気がした。

「…素直じゃないね」
「……何がだよ」

どうしてあいつの話が出てくるんだ…。
あいつは関係ない。
でも、自身の心は否定はしていなかった―…。

そんな時。

「うわああ!!やめろ鳴海!!!」
「岬先生!!会いたかったあ〜〜!!」

廊下から聞こえる怯えるような声と変な声。
何だろうか、と思い鋭い赤い瞳で覗いてみれば、其処には岬に抱きつく鳴海と、それを嫌がる岬。

「もうっ岬先生ったら!
また僕が岬先生の植物を盗んだからって変な地下室に僕を閉じ込めるのやめてよぉ〜」
「分かった!分かったから離せ!!気持ち悪い!!!」
「僕がどんくらい閉じ込められてて、どんくらい寂しかったか分かってんの〜??」
「分かったから!!俺が悪かったから!!」
「あ〜…毎日岬先生に触れてるのに昨日は閉じ込められてて触れられなかったなぁ〜。
あ〜〜〜…今日は何だか人肌が恋しい〜〜〜」
「ぎゃああああ!!!頬を寄せるな!!そ、そういえばお前あそこからどうやって出たんだ!?」
「ああ…岬先生、僕に食事係りつけてたでしょ?竹島君だっけ?あの男の子。
いやぁ、あんなの簡単だよ〜。フェロモンでぱ〜っとやってぱ〜っと開けてもらったんだ♪」
「〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」

気持ち悪い、そう思いドアを閉めようと手をかけたが、
何気なく嫌でも入ってくるその会話を聞いて棗は動きを止めた。

『毎日触れているのに』
『人肌が恋しい』

それは、鳴海が何気なく会話に出した言葉。

何故かそれに同感してしまう。
何だか自分に当てはまるような気がする。

毎日、少女に触れているのに。
毎日、少女と話しているのに。

でも、今日は………

つまらない。
調子が狂う。
我慢が出来ない。

一気に溢れてきた自身の心に何だか笑いが込み上げてきた。

(……馬鹿みてぇだ)

もうこの心はアイツ色に染まっていて。

「俺は……水玉病か…?」

駄目なんだ。
アイツに触れていないと。
何時までもその温もりに浸っていないと…。

ーなんて、恋しい………。

足を進ませた先は保健室。
けど、後ろからの気配に一旦足を停止させた。

「なつめ?どこ居くの?」

先生達を覗きに言ったまんま戻って来ない棗に疑問を抱いて流架が問う。
棗は流架の方へ振り向くと、一言だけ言った。

「―――――人肌を感じに。」

そう一言言ってまた足を進ませていく彼の表情は先程の退屈な表情とは違い、嬉しそうな、幸せそうなそんな表情だった。けれど、それが何故なのかは流架には分からない。ただただ、そんな弾む足の後姿をハテナマークを浮かべながら見送っていた。





「あら、日向君」

@一周年企画のにしようと思ったやつ。
かんじんなとこで終わってしまいましたが。

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【 青 春 の 日 々 よ 】


昼休み、偶然言われたある一言がこの話のきっかけだった。

「ねぇ、蜜柑ちゃんってさぁ」

野乃子ちゃんとアンナちゃんが楽しそうな表情しながらその言葉をもったいなぶっている。なかなか、次の言葉を口にしない二人に蜜柑はせかした。二人は、顔を見合すとこんなことを言った。

「棗くんのこと好きなの?」
「…えっ!?」

その言葉に蜜柑は驚き、口をぽかーんと開けた。考えてもいなかったことを言われた驚きで思うように口がしっかり閉まらない。どうして、棗なのだろうか。蜜柑はすぐさま理由を聞いた。

そして、また二人は恥ずかしいのか楽しそうなのか分からない表情を見せて顔を見合わせた。

「え〜、だって、いつも一緒にいるし」

(……そうやったっけ…)

自分の知らないうちに自分は棗といつも同じ時間を過ごしていたのであろうか。そんなこと考えたことがない蜜柑は、頭の上にハテナマークを浮かべた。

でも、一緒にいるはいるかもしれないけれど、それが好きだとは…。
それに……

「な、なんで棗なん?
流架ぴょんやって、委員長やって一緒にいるやろ?」

いつも、棗だけと一緒に居るわけじゃない。いつも、流架の存在もあるのだ。なのに、どうして、棗と決められてしまったのだろう。

また、野乃子ちゃんとアンナちゃんは楽しそうに顔を見合わせた。女の子にとって恋愛の話とは、楽しいものなのだろうか、田舎育ちの腕白な蜜柑にはよく分からなかった。

「棗くんと居るときの蜜柑ちゃん…ちょっと違うんだよね」
「……ちが、う…?」
「…うん、流架くんと居るときもすっごく良い顔してるけど、

棗くんと居るときはなんだか―――――――……






(…アンナちゃんたちがあんなこと言うから意識してまうやん)

昼休みは終わり、今は三時間目、自習だ。
あんなことを言われたせいか、隣に座っている棗と目を合わせることも出来ない。


『棗くんと居るときはなんだか――…恋してるような顔してる』


「…恋、してる顔……?どないやねん……」

@大分前に書いた作品です;

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【 彼 氏 彼 女 と 思 わ せ て 】


「ほたるううーーーー!!!」

いつもの声が学園中に響きまわる。いつも元気なそれの声。可愛い顔してクールな親友に後ろから抱きついた。抱きついた片手には何か広告のような紙を持っていた。いつもハイテンションな彼女だが、今回はもっと嬉しそうにしている。一体、なんの騒ぎだろうか。

「お願いだから真夏に抱きつくのだけはやめてちょうだい」

そう言って、蜜柑の腕を簡単に引き離すのは相変わらずの彼女の行動。引き離された少女は一瞬涙を浮かべたものの、すぐに何かを思い出したようなハッとした顔になってまた笑顔を戻した。

「今日な、午後の9時から花火大会あるんやって!」

そう言って蛍に持っていた広告を見せる。どうやら、いつもよりハイテンションだった理由はそれらしい。

花火大会、アリス学園で真夏に一度はやる行事である。
蜜柑はそれを鳴海に今日聞いたらしい。


「ごめんね、蜜柑。行ってあげたいのはやまやまなんだけど、今日、これから
ずっと技術系の発表会があるのよね、深夜まで」

発表会があるのは本当だが、『これからずっと』『深夜まで』というのは明らかに嘘だった。それは、勝手なことに蛍さんが花火大会に興味がないから。どうやら、花火を見に行くのなら部屋で寝てた方がマシだと思っているらしい。

そんなことなど露知らず、蜜柑は蛍の言葉を信じきって悲しそうな顔をしていた。

けど、そう言った理由は『興味がない』という理由だけではない。蛍なりのもうひとつの理由があるのだ。


「日向くんと一緒に行きなさいよ」
「…な、なつめ!!!??」

そう、それ。蛍のもうひとつの理由とは蜜柑と棗のくっつき大作戦なのである。だが、そうしたい理由は別になく、ただ面白いから、という無責任な考えだった。

ところで、この蜜柑たちの会話だが……実はクラス中にまる聞こえである。勿論、棗にも。何故なら、蜜柑の声がでかすぎるから。

「ちょ、ちょぉまって!なんでウチが棗と行かなあかんの!?」
「パートナーじゃない」
「委員長とか野乃子ちゃんとかアンナちゃんとかルカぴょんは!??」
「だから、野乃子ちゃんもアンナちゃんも技術系の発表よ。
委員長は気分が悪くて早退したし、ルカぴょんは今日風邪で学校休んだでしょ」

そう、野乃子ちゃんたちも蛍と同じく技術系なので発表会なのだ。そして、委員長は気分が悪くて早退、ルカぴょんはというと、珍しく風邪をひいたらしく今日はお休み。当然、病人を花火大会に無理矢理連れていける訳がないし、無理なことだった。

だからってあの危険人物の棗と行く訳には行かないし、なにをされるか分からない。

「え〜〜あ〜ううーーー」
「だから、日向くんと行けばいいじゃない」
「え〜〜〜えええ〜〜〜〜〜〜……」
「うるさい」

バカン!

「あぅ…!!!!」

煩い、とひとつバカンをとばして蛍はどこかに去っていってしまった。蜜柑はそんな蛍を涙を浮かべながら追いかけたものの、蛍は『さらば』とカッコ良くきめて自分の発明品で人が追いつけないくらいの早さで行ってしまったのでさすがにそれは諦めて、蜜柑はトホホと教室に戻った。

ぱたり、と教室のドアを閉めたときにやっと棗の視線に気がついた。怒っているのか馬鹿にしているのかそんな目で見ている棗になんてつっこんでいいか分からなかった。

どうしていいのか分からずになんとなく目を合わせないように棗の隣の席(自分の席)に静かに座って、出来るだけ関わらないように距離をとったのにも関わらず、それはすぐに棗にでこぴんで現実に戻された。

「お前、花火大会行きたい訳?」
「……え、いや…その……そんなこと言いましたっけ……?」
「ごまかしてんじゃねーよ」

そう言うと同時にでこぴんを再度喰らわせられた。そして、そんな棗の勢いに流されてこくりこくりと二回頷いた。


「―-…別に、行ってやってもいいけど」

(……………ほへ?)


「えええええ!!??ええの!!?ほんまに!?」

聞けるとは思ってもいなかった棗の意外な返事に蜜柑は棗と行きたくないという心を忘れ、もう踊ってやろうかというくらい嬉しくなってしまった。

@元々、30のお題用に作った作品。
いつのまにか面倒臭くなって作らなくなってしまった。

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