| 心地良い春の日差しの中で 二人仲良くお昼寝でも致しましょうか―。 In this place nearer than whom... 〜誰よりも近いこの場所で〜 [26.体温] いくら探しても見つからなかった。 教室や、保健室、図書館、棗の姿は見当たらない。 (風邪ひいてるんに……。) 病人は静かにベッドで休んでいなきゃいけないことは蜜柑にだって解っている。 でも、一生懸命探しても探しても……やっぱり見つからない。 『棗くん風邪ひいてるのにどこかに消えちゃったんだ。 蜜柑ちゃん、君の大事なパートナーを探してきてくれるかな?』 ナル先生に言われて嫌々探しにきたけれど、今となっては思うように見つからない ことから、嫌な気持ちは消え、焦りだけが心の中にあった。 「…どこに居んねん、なつめぇ…っ」 遅足が探すにつれ、早足になる。 心の焦りが行動に表れる。 学校外に足を踏み出し、初等部の裏側へ来たときだった。 先程まで光で照らされていた地面が大きな影で消された。 不思議に思い、ふと、上を見上げたそこには、 目の前の木から飛び降り、こちらに落ちてくる少年…… ――どさ!!!! 「……ぎゃっ!!!」 その少年は地面に倒れこんだ蜜柑の上に乗った。 つまり、押し倒された…という"アイツ"との初対面のときと同じ光景である。 太陽の光がまた戻ってきて、明るくその光景を照らした。 照らされたその少年の顔は…… 「よぉ。」 「…な、棗!!」 どうやら、探しにきた蜜柑に気づき、先程まで寝ていた木の上から 降りてきた様子だった。 「何やってんのん!はよ、どかんかい!」 自分の体勢に気づき、真っ赤な顔でそう怒鳴ると、棗は悪戯っぽく 『べ』と、舌をだし、いっこうにどこうとしない。 そんな棗に怒りを露にし、蜜柑はポカポカと両手で棗の胸を叩いた。 その攻撃は少しの間、続いた。 何分か後、棗が急に仰向状態になり、蜜柑の横に倒れた。 素直にどいた、そう思ったが………棗の息が荒くなっている。 「……なつ…め…?」 「……ぅ……っ………」 「風邪が悪化したんか!?しっかりせぇ!棗!」 心配になり、蜜柑が棗に近づくと…… ぐいっ 棗が蜜柑の首後ろに左腕をかけ、自分のところへひっぱったのだ。 蜜柑は棗の腕にまんまと簡単に引き寄せられ、棗の胸にころがった。 目の前には自分の間近にいる済ました顔の棗。 唇があたるかあたらないくらいまで体は寄せられていた。 そして、少年の口からでた言葉は…… 「ばーか。」 ――――――……… 蜜柑の怒りは炸裂。 真っ赤な顔して蜜柑は大声で叫んだ。 「ば、馬鹿はそっちやぁ!ウチがどんだけ心配したと思ってんねん!! ほんまは風邪なんかひいておらんのやろぉ!!」 「うっせーな、さっきの体勢つかれんだよ。 風邪ひいてんのは本当。」 「嘘つきぃ!!デコあっつくな………」 無理矢理手を当てた棗の額は物凄く熱かった。 こんな冗談を言っていることが出来るのか、と思うほどの熱さ。 蜜柑は戸惑い、言葉を失った。 蜜柑の気を紛らわそうとしたのか、どうかは知らないが、 自分の体をささえていた蜜柑の片腕を棗は急にぐいっとひっぱった。 ひかれた腕により、蜜柑の体勢は完璧にくずれ、完全に棗の上に倒れこんだ。 「…ちょっ…!何すんねん離さんかいっ!」 蜜柑の声は虚しく、蜜柑の体は棗の力強い両腕によりびくともしない。 強く胸に押し付けられたためか、棗の心臓の鼓動が必要以上に耳に響く。 …驚くほど早いその音に蜜柑は顔を赤くした。 「おい、あれやれよ。」 「……はっ?あれ………?」 「よく今井が風邪ひくとやってんじゃねーか。」 "あれ"…あれとは、蛍が風邪をひくと、蜜柑が『ウチが変わってあげる』と 言って抱きつく、あれ。 棗はちゃっかり蜜柑のその行動を覚えていたのだ。 蜜柑は思い出すと、思ったとおり戸惑い、体をじたばたさせた。 「あ、あれは蛍限定やねん!蛍は大切な親友やから…っ」 「俺は大切じゃねぇのかよ」 「へっ!?そないなことゆわれても……っ」 「やんねーとクラスの前でテメェのパンツ見せんぞ」 「わ、わかった!やればえーんやろぉ!?」 棗の言葉にまんまとひっかかってしまった。 蜜柑は少しその場から起き上がると、ゆっくりまた棗に体を寄せた。 そして、ごくりと息を呑むと、優しく棗に抱きついた。 熱い耳が棗の頬に当たったとき、棗も両腕で蜜柑の背中を囲んだ。 「あ、あの……いつまでやってればええん…?」 「俺が起きるまで。水玉も寝ろ。」 「…………あの…保健室で寝とった方がええとちゃう…?」 「俺にとってはこっちの方が早く治る。」 「…………………。」 「水玉、あったけぇ…。」 次の日、蜜柑は風邪をうつされ、学校を休みました。 END..... ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― なんか、全然意味がわかりません。 えっ!?なんだこの作品!あああ、題名英語って雰囲気でるよね。 |