時々思う。
性格は悪いのに何故か顔立ちは良い。
整った顔…キリッとした瞳に、形の良い唇、長くてカールするまつ毛。
女の自分としてはその顔立ちに憎たらしさをも感じた。





う つ く し き [20.綺麗な]



授業中、見たくなくても目に入ってしまう彼の横顔に蜜柑は頬を膨らました。
見れば見るほど綺麗で、その美形の顔に吸い込まれてしまいそうだった。
こんなに綺麗な顔にどうやって生まれてきたのだろうか、親の顔が見てみたい。
一番に目についてしまうところ、やはり横顔だからよく見えるその綺麗なまつ毛。
長く、多くて、一本一本が細いカールしたまつ毛だった。

憎らしさと、羨ましさがまざったモアモアした気持ちがよぎる中、
蜜柑は無意識に彼のまつ毛を人差し指と親指で軽くつかんでいた。
つかんだ瞬間、彼は反射的に蜜柑の指から離れ、蜜柑は我にかえった。

「…あっ、すまん!棗のまつ毛があんまりにも綺麗やったから…。」
「授業に集中してて誰も見てないからって欲情すんなよ。」

慌てて言う蜜柑に棗は最後に『変態』とつけたした。
その言葉に文句を言っている蜜柑をよそに棗は何事もないように前を向き直した。
文句を言い終わると蜜柑はむっと頬を膨らまし、両手で頬を囲むと棗をまた見つめた。

「性格そんなに悪いんに、なしてそないに顔は良いんやろな。
 女として憎たらしいっちゅーか、羨ましいっちゅーか。」

真剣に言ってくる蜜柑に棗はまた視線を合わせた。
そして、『あ』と何か気づいたような声を出すと…

「お前、俺に惚れてんのかよ」
「はっっ!!?何ゆうてんの!?んな訳あるかい!!」
「今の聞いてるとコクってるようなもんじゃねーか」
「コクってないわ!誰があんたなんかに告白なんかするかい!」











はぁ、と溜息を吐くと蜜柑は眉毛をU字に捻らせ、また棗を見つめ出した。
次に自分のまつ毛を軽くひっぱる。
すると今度は棗のまつ毛をまたひっぱりだした。
棗は蜜柑の手をはぶこうとせずに、不思議気に蜜柑を横目で見ていた。

「ウチそないにまつ毛短い訳やないんやで。
 長いねんけど、あんたと蛍よりかは短いだけ。」
「ああ、どうりでまつ毛の上にホコリがたくさん乗ってる訳か。」
「………どうせ、ホコリしか乗らない無駄なまつ毛やよ」

そう言うと、何故か元気をなくし、下を俯いてしまった蜜柑に
いきなり棗はデコピンした。
蜜柑はでこを両手でおさえ、声にならない声をだして顔をおこした。

「そんなにショックなことかよ。」
「…っ!女のウチとしてはなぁ、
あんたなんかにまつ毛の長さで負けるのが一番悔しいねん!」

まつ毛の長さへの悔しさか、それともデコピンの痛さからよるものか
よく解らない涙をうかべ、蜜柑は言った。
そんな蜜柑を見て、棗は何を思うのか下唇をぎゅっと軽く噛むと、
黒板の方を向きながら、こうぶっきらぼうに言った。

「今から言うことはお世辞じゃねぇからな」

何を言っているんだ、棗のその言葉の意味が蜜柑には解らなかった。
そして、先程までめったに動きを変えなかった棗のまばたきが
やけに多かったことが不思議でならなかった。
棗は軽く下を俯くと、またすぐ顔をあげ、こう言った。






「お前のまつ毛に乗ってるホコリは
 お前のまつ毛がダメだから乗ってんじゃねぇんだよ」

「―――……はっ…?」





「――――――――……
 お前のまつ毛が綺麗だから乗ってんだよ。」





―――――――――――がたぁん!!………

「………はああぁぁっっ!!!!!!!??????///」

「――佐倉、廊下で立っとれ。」


END......

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
な、なんでしょう、この微妙な終わり方は。
ああ、なんだか小説書けなくなってきました…やばいです。
ま、まま…まつ毛!!なんだこの微妙なストーリーは!!
ああ……もうほんとごめんなさい、ごめんなさい。
実はというと、この左のまつ毛の壁紙が使いたかっただけなんです(汗