「17:たまには、」

※R15指定/でも短編なのでぬるいです

先程したばかりなのに、まだこの下半身は彼の熱が欲しくて堪らないらしい。もう一度したい。しかし彼は仕事で疲れ寝入ってしまった。我慢しなければ。でも、一度快楽を知った以上、その気持ち良さと厭らしさを味わいたくて仕方がなくて、彼女は彼の上を跨ぎ、強引に上に乗った。もう”受け”という役目と、意地っ張りというレッテルは剥がしてしまおうか。
「…っな。お前何して…!」
「…し、したいんよ…っお願い」
そうぎこちない言葉でせがみ、無理矢理に彼のジーパンのベルトを緩める。彼女はまだ裸のままで、下も何も穿いていなかった。何時もの彼なら容赦なく彼女に迫り、彼女が嫌がってでも腰を振るのだが、今の彼は疲れ過ぎていて、目を開くのにも精一杯だ。それでも彼女は自分自身の欲望を抑えきれず、彼のモノを握り、再び熱るのを待った。
「く…っうあ」
目の前に見た事もない彼の姿がある。今まで攻めていてばかりで余裕な表情しかしたことのなかった彼が快楽と睡魔の間を行き来し、必死に戦っている。だがそんなことを考える余裕は彼女にはなかった。もう下半身が限界で、潤いが増し、もう中に欲しくて仕方ない。何故こんなに欲深くなってしまったのか。それは全部、快楽を教え込んだ彼の所為だ。彼女は心の中でそんな愚痴を溢しながら手を動かし続けた。
「…もう…っ無理や!」
限界。彼女は彼のモノが大きくなったのを確認すると直ぐさま彼のモノと重ね合わせ、腰の位置をずらした。そのまま上下に動き、入っていくのを確かめる。彼も何だかんだ良くなってきたのか軽く腰を浮かせる。
徐徐に小さな快感が其処から生まれ、彼女は動きは速度を増した。もうそこにいるのは何時もの”受け”の彼女ではない。しっかりとそこ”攻め”の彼女が快楽を楽しんでいた。
「…っは…ああ…!」
身体が仰け反り、大きな快楽が全身に広がった。途端、ふわりと身体は落ちていく。何ともいえない気持ち良さが思わず彼女を笑顔にさせる。そのまま彼女の身体は仰向けに倒れた。気を失う直前に、彼女は思った。たまには自分からするのも良いかもしれない、と。


END
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エロ苦手な人すみませんでした;
なんか受け棗っていうか攻め蜜柑が書きたくて…。