「15:ライバル出現」 |
私から言わせると、あの子に合う人間って、あの子と正反対の人間なのよね。例をあげれば私のことね。あの子はウザい程煩くて、泣き虫で、喜怒哀楽が激しくて。それに対して私はクールで無口で、自分の気持ちを表情に表したりなんかしない。まるっきりあの子と正反対の人間よ。
私から言わせると、あの子と私の相性は100パーセント。持っていない部分をお互いのどちらかが持っている。補える。だからお互い得ることも多々ある。それにあの子に甘い人間はダメ。私みたいにクールに、時に厳しくしなければね。厳しすぎるってのは禁句よ。
だから私はアリス学園に転校してきて、初めて彼を見たときに正直焦ってしまった。彼と自分がよく似ていたからだ。あのクールな態度や、性格、雰囲気、全て似てるとは言わないが多少似ている部分は多い、と。
ー絶対にあの子には会わせたくないと、そう思った。
私に似まくっていて、あんな寂しそうな一匹狼を、あの子が放っておく筈もない訳だし。
「…佐倉蜜柑」
「は。誰だよソレ」
「私の大好きな親友の名前よ」
「…それが何だよ」
私から言わせると、あの子と彼が出会ったとしたら、お互い気になりだす可能性は100パーセント。くっつく可能性は…ムカつくから30パーセントにすることにする。
そして私から言わせると、私にって彼という存在は…
「…ライバル。」
END
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蛍視点のなつみかんでいってみました。
「ライバル出現」っていうと何か蜜柑に惚れた男が出てきたなんやかんやかと思いきや私の場合そうすると話ややこしくなってボツになるのでやめときました。短編しか書けない女ですから。