「08:身長差」

最近気づいた。今まで変わらなかった身長が、今では彼の方が少し大きいのだと。
何時ものように誰もいない狭い資料室で抱き合って、深いキスを交わす。抱き合った時、少女の頭部分は少年の首にすっぽり収まってしまう。何時の間にか身長差が出来ていた。
「何で棗の方がでっかいん?」
「は。」
「身長っ。何でウチのが小さいん?」
床に少女を押し倒したところで急にその質問。少年は思わず眉を捻った。しかしその眉は直ぐに元に戻り、悪戯笑みに変化する。
「キスしやすい為じゃねえの」
そう甘ったるく囁くと、少年は少女の半開きの唇にキスをした。暫く長いキスを交わし、少年の唇が少女の鎖骨へと移動した刹那、少女は唇を尖らせて少年に言った。
「ずるいっ。棗でっかいから、ウチからちゅーするん大変なんよっ?」
その言葉に、思わず少女の太腿を撫でていた少年の手は停止してしまう。そして可愛くて仕方がない少女の唇に、また少年の唇が戻り、また長いキスを交わした。
「ばーか。俺がしてやるから良いんだよ」
「うーー」
少年が少女の中に入っている間、少女は甘い声と同時に叫んだ。
「ウチは棗より大きくなる!」と。
それから少女はよく牛乳を飲むようになった。
何でかって?だから棗とキスをしやすくするためでしょう?


END
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とくに深い意味はないです!
棗の方がキスをしやすいということをずるいと感じ、
自分も大きくなりたい、と言い張るだけの蜜柑のお話です(ぇ)
ちなみに少し微エロ(笑)中等部くらいかな。